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劇団サンプル


「家族の肖像」2008年青木司

松井 周(劇作家・演出家・俳優)の主宰する劇団。
青年団若手自主企画公演『通過』(2004年・第9回日本劇作家協会新人戯曲賞入賞)、『ワールドプレミア』(05年・第11回同賞入賞)、『地下室』(06年)、『シフト』(07年)を経て、07年9月『カロリーの消費』により青年団から独立する。

一般的な価値観を反転させ、人間関係やコミュニケーションについての幻想を打ち砕いた虚無的な世界を描き、同世代を中心に高い支持を得ている。
作品が翻訳される機会も増え『シフト』『カロリーの消費』はフランス語に、『地下室』はイタリア語に翻訳されている。
『家族の肖像』(08年)と『あの人の世界』(09年)で第53、54回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネート。
『自慢の息子』(2010年)で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。

国際交流基金インタビュー

<サンプルの由来>

私はユニットの名前を「サンプル」としました。これには大きく二つの意味があります。
一つは「紛い物」という意味です。これは、一旦人間を、人間性や感情や内面から引き離してみようという試みです。
人間を動物のように観察するということと同じかもしれません。しかし、そうは言っても人間は言語を使用するし、そこで消費されるエネルギーもばかになりません。 ですから、その言語活動も人間の「言い訳」のように捉えながら、物語を描いていきたいと思います。
もう一つは、「試作品」という意味です。サンプルは「紛い物を創る」ための仮説を立てて、日々実験・実践していく場としてのユニットだと考えています。作品を窮屈なわかりやすい形に閉じこめるのではなく、柔軟に変化していくことを理想として「試作品」=サンプルと名付けたいと思いました。


<私がサンプルでやりたいこと>

人間を疑うこと、これが出発点でした。
人間には統一された「自我」などなく、あるとしてもそれは多様でころころ変わるような一時的なものではないかという疑いです。
言語活動を行う「自我」のない動物として人間を捉えたいと考えて作品を作ろうと思いました。
つまり、私たち人間は能動的に何かを選択し、行動しているわけではなく、受動的に何かを選択させられて、動かされているという状態を演技の基本として作品を作るのです。俳優と同じ空間にある全ての物(テーブル、イス、人間、エアコン、棚、観客等)が俳優を誘惑します。また、俳優の外側だけでなく、俳優自身の記憶に誘惑されることもあるでしょう。
私は受動的で信用ならない人間を肯定するために作品を作っています。


松井周


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